わし座の物語
わし座の1等星アルタイルは夏の夜空で2番目に明るく輝き日本では「彦星」「牽牛星」と呼ばれています。
ギリシャ神話では、大神ゼウスが美少年ガニメデスの「みずがめ座」をさらいに行った時の変身した姿と言われています。また、人間に火を与えた罰として岩山に繋がれたプロメテウスの肝臓をついばむ鷲とも言われています。
日本に伝わった七夕伝説では、中国の神々の皇帝、天帝には、織り姫と呼ばれる1人娘がいました。こと座の1等星ベガです。機織りの仕事で朝から晩まで毎日忙しく働いていました。その姿を見た天帝は婿を探してやろうと考えます。そして、天帝のお眼鏡にかなったのが牽牛、わし座の1等星アルタイルでした。牽牛もまた大変な働き者で天の川の岸辺で牛を飼い朝から晩まで牛の世話に明け暮れていました。二人は出会った瞬間から恋に落ちてしまい、仕事のことなどすっかり忘れてしまったのです。やがて神々の服はなくなり、牛は病気で死にそうになってしまい、とうとう天帝の怒りが下り、二人を天の川の西と東に分けてしまいました。悲しむ織り姫を可哀そうに思い、「もし、一生懸命働くのなら、一年に一度、会うことを許そう」と言い、それから二人は一年に一度だけ7月7日に会うことが出来るようになったのです。7月7日になると、どこからともなく沢山の鳥が現れ、天の川に橋を架けて二人を合わせてくれるのでした。
古代バビロニア時代からの古い星座で、当時は神が鷲を抱いた姿とされていました。また、ゼウスの神鳴りの矢を運ぶ使者とも言われています。いくつもの神話の有る星座なんですね。