てんびん座の物語

 

てんびん座はローマ時代ユリウス・カエサルの頃に誕生した星座でそれ以前にはさそり座の一部とされていました。さそり座は最も古くシュメール時代から存在する星座のひとつです。

てんびん座の神話はローマ時代のもので正義の女神アストレイアの持つ天秤と言われています。

ローマ神話の女神アストレイアは死者の魂をこの天秤で測り、悪しき者は地獄に送られたのです。ローマ神話では5つの時代があり、黄金時代、銀の時代、銅の時代、英雄時代、鉄の時代とされています。

ギリシャ神話ではどうかというと、金、銀、銅の3つの時代があるとされています。似ていますが少々違うようです。

ギリシャ神話では、神々の王ゼウスと巨大タイタン族の女神テウスの二人の間に生まれたのが正義の女神アストラニアとされています。この頃、地上では「金」の時代でした。世の中は「金」「銀」「銅」の時代があるとされていて、アストラニアの生まれた時代は世界が平和で、アストラニアの天秤はいつも正義に傾いていました。時代は次第に「銀」の時代となり、貧富の差が生まれ争いが始まります。そこで女神アストラニアは天秤を使い人々に平等に穀物を分け与えたと云います。しかしやがて「銅」の時代が来て人々は争い殺し合うようになってしまいます。そこでは神々はとても生きられないと天上へ戻り、女神は「おとめ座」となり、正義をはかった天秤は「てんびん座」となって夜空に輝き続けていると云います。

「おとめ座」には大神ゼウスにまつわる別の神話があり、悲しみの女神デーメーテールとも言われています。彼女は右手に正義の羽を持つので正義の女神とも、左手には麦の穂を持つので農業の女神とも言われています。